止むに止まれず! 公演情報 ソラリネ。「止むに止まれず!」の観てきた!クチコミとコメント

  • ドリフ魂、復活!ー観客の心を揺らす
    往年の「ドリフターズ」を彷彿させる…。
    この劇団は シチュエーション•コメディを最大限に活かす、「誤解」請負人ではないか。

    ネタバレBOX

    長男•鈴原あきら (大坂のどか)が女に なって帰ってきた!?
    先日、劇団ヨロタミの舞台『兄弟ノート』を観劇したが、その序盤でも 「長男が女になって帰ってきた!?」シーンが あった。反応の仕方が 似たり寄ったりだった点は何故か…。

    日本の家族観というよりは、生粋「茶の間エンターテイメント」であったように思う。
    シチュエーションに ひたむきであり、茶の間の小物セットは 当然のこと、役者も「ドラマ」としてのリアリズムを目指す姿勢が伺えた。
    次女•鈴原瞳(服部あつえ)や住込み•中田竜次(天野哲也)などの足を掴む、突き飛ばす、等の仕草は画一期的だった。たとえば、「向こうに行かせたくないよ〜」という心情を表すコメディタッチのポーズだとしても、毎回 同じ「圧力」である必要はない。
    あきら の婚約者•金子真一(木村慎一)が父親•鈴原正隆(剛たつひと)へ挨拶しに行こうとするシーン等は「他人」だからこそ笑えた。
    ただ、もっと相手との関係性を踏まえた上、バリエーションを増やすべきだと思う。

    正隆が瞳の二股疑惑ではなく、長女•鈴原はるか(藤島琴弥)と瞳の彼氏•藤田芳郎(馬庭良介)の交際疑惑に視線を向けた展開も 心の中で残念がった。二股疑惑の方が おもしろい。


    まるで複雑な連立方程式を解くような舞台だ。そして、人間の「思いつき」等を巧妙に利用し、ドリフターズの「柔らかさ」を復活した。
    超高層ビルディングは 大地震の際、ゴムのように揺れる。東日本大震災でも、東京の超高層ビルが 揺れる映像が流されたので、ご記憶の方も多いだろう。
    なぜか。
    鉄筋コンクリートがポキリと折れないよう、ビル自体 揺れることでエネルギーを放出させるのだ。


    私は本作『止むに止まれず!』も、日本の家族観や複雑な関係性(=鋼)とドリフターズ(=柔)が両立した、超高層ビルディングだと思う。
    そして、その場にいる観客の心をゴムのように揺らすのだ。
    安心して、気ままに楽しめて、家族という一大テーマを考察できる。これは有意義だろう…。

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    2013/11/03 01:42

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