『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!) 公演情報 アマヤドリ「『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    【うれしい悲鳴】
    時代への批評性が素晴らしい。

    今の日本で問題になっていることを物語に描きこんだ、
    このまま行ったらこんな社会になるかも、、、 近未来SF。

    ネタバレBOX

    思想的な意味の広がりのある台詞が特徴的な舞台だと思った。

    内容については、多くの方が細かく書いているので、個人的に印象に残ったシーンを1つだけ書く。

    アンカという法律により、「泳ぐ魚」という公務員集団は、決定された法案を絶対的に強行しなければならない。
    植物人間の臓器を移植して、救命に役立てなければならないというアンカが決定する。
    そこで、植物人間の人は、脳死などではなくても、命を奪われることになる。
    その際、時の天皇も植物人間だったのだが、天皇は例外措置として不問に付されてしまう。アンカという法律は誰に対しても平等に絶対的に行使されるということを信条に暴力的な行為も正当化して自分を保ってきた「泳ぐ魚」のメンバーの一人は、それは断じて認めることはできないという。それを認めてしまったら、自分の行使してきたことが、正義ではなく、暴力の片棒でしかないとなってしまうからだ。そこで揺れる。
    また、メンバーであり主人公のマキノ久太郎は、好きになった女の母が植物人間であり、母を殺すなら私を先に殺してとマキノに迫る。アンカは絶対である。そこで揺れる。
    結局、アンカは天皇を例外として、それ以外には絶対的に行使される。

    ここに集団の正義とその暴力性の問題が提起されていてとても興味深かった。

    他にも、頭で考えると素晴らしいと思える部分がたくさんあるのだが、
    芝居としてはあまり惹きこまれなかった。

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    2013/10/29 19:31

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