満足度★
羊頭狗肉でお茶を濁した?
もう少し、楢原さんらしい、機知に富んだ、暗喩的頭脳明晰な脚本を期待していたのですが、完全な肩すかしを食らいました。
見かけ倒しならぬ、仕掛け倒しの感。
やけに挿入される、謎かけ問答のような台詞のやりとりも、計画した間が、冗長に感じるだけで、面白さゼロ。
社会の現状を、徹底的に、笑倒し、ブラックな笑いで、告発する、チャりTらしい、真実を茶化す茶番劇の真髄には、到底及ばない、脚本の出来栄えに、かなり落胆しました。
楢原さんが、何を描きたかったのかは、提示がダイレクトなので、すぐにわかります。でも、これでは、手品の品物だけ並べて、手品師が、トイレ休憩に行ってしまったような印象です。仏作って、魂入れずの感!
楢原さんらしい、センスある切り口に期待してたんだけどなあ。
2013/10/30 02:18
楢原さんとは、かなり面識もありますし、これでも、ずいぶん熟慮して書いた感想です。
ただ、てがみ座旗揚げの際の演出や、毒カレー事件を題材にした作品などで、楢原さんの演劇人としての底力に大変刺激を受けた経験から、どうしても、この舞台には、落胆以外の感想を持つことが困難でした。
りいちろさんの分析を拝見して、へえ、そういう見方もできるのかと、目から鱗でしたが、久々のチャりTへの期待が高過ぎたのか、私には、難しい見解でした。