満足度★★★
ARICA+金氏徹平「しあわせな日々」観ました
(YKOカンパニー「Wonderful Days」から続く)
七ツ寺共同スタジオでベケット「しあわせな日々」にインスパイアされたダンス作品を観た翌日、今度は、あいちトリエンナーレ2013のパフォーミングアーツで、同じ戯曲によるパフォーマンスを観ました。
ダンス・演劇の領域を超越して定評の高い団体が、注目の美術家とタッグを組んだ舞台。
美術家によるコンセプトが明瞭なセット。
技量の高い女優から正しくはっきり発される台詞。
演出家の意図通りに舞台が操作される演出。
「…で、それから?…」
観ている最中、「今その場で感性に引っかかる点」が一つも見つからなかった…。
他のトリエンナーレ参加作品では、理解できなくても気になったり、会場から出ても考え続けた(「あれは何だったのだろう?」)要素があったのだけれど…
アフタートークで理屈は理解した(女優の声中心のクリエイト、美術全体=楽器のイメージ、ベケットは音楽劇、ゴミ屋敷?)が、とにかく観ている間が退屈過ぎて、今さら…という印象。
不条理のベケットだから、というのでなく、全てが明瞭な舞台にはむしろ魅力が足りなく感じてしまう自分を再確認。
観客が何かを想像する余地がある、というのは、特にアート寄りの舞台には重要な要素だと、個人的に思う。
(何だか分からないけどありがたがる、というのでもなく、持ち帰るものが欲しい)
あえてこの作品に理解を示せば、主題からいって女性の方が何がしかを感じやすい作品だったのだろうか?
前日に観た作品が魅力的だっただけに、自分としては残念な結果となってしまいました。もちろん個人の志向なので、あまり参考にはならないかもしれませんが。
とにかく、これからも好き嫌いを越えて舞台を観続けたい。(損はしたくないなあ)