三人姉妹 公演情報 華のん企画「三人姉妹」の観てきた!クチコミとコメント

  • 旅団という、ひと時のウォッカと三姉妹
    チェーコフの代表作『三人姉妹』だが、ロシア人の民族性を緻密に描いていたように思う。

    ネタバレBOX

    俳優は ほとんど1m80cmを超す長身である。ロシア人男性の平均身長かもしれない。
    そこで足元を見ると、やや【シークレット•ブーツ】らしき黒革の靴を履いていた。
    当然、プロポーションの よい俳優が粒揃いなのは 間違いない。
    だが、靴の底を上げ、ロシア人男性(それもインテリゲッチャ)の風貌を形作った のは リアリズムである。

    本の淵がアーチを描くようなセット。まるで20ページ飛ばしてめ
    くり進める時間の経過だった。
    後ろ姿を見せる ことが、そのページへ まだ記されていないことを告げる示唆である。

    三姉妹こそ主役だろう。一方、旅団軍人の【哲学】めいた 雰囲気も特筆すべき。「二百年、三百年先の未来 は どうなっているのか…」を考察する 会話は、色褪せないメッセージとして突き刺さる。

    なぜ、このような【哲学】を交わすのかといえば、それはウォッカと階級に他ならない。
    登場人物は「県議会議員」や「中学教師」等の地位を喧伝する。そして、ウォッカ瓶を呑み(たぶん)、互いの不平を突く。これは、階級的地位をアピールしながらも、完全に肯定しえない(「県議会議員」など典型)二面性の【本音】を現す。
    【哲学】の会話を聴けば、階級という仮面を被った上のウォッカという本音である。


    軍笛鳴り響くなか、三姉妹が「別れ」を共同で語るラストの場面。
    チェーコフ代表作『三姉妹』の名場面でもある。
    終わり、終わらない、生活の静かな営み…。
    一人ひとりの独白を組み合わせると壮大な【哲学】である。 むしろ 、三人の関係性で捉えた点が新たな魅力の舞台だったのだが。

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    2013/10/24 23:39

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