満足度★★★★★
■初めての感触。
午後2:00から4:00まで連続二時間の群像劇。それぞれの登場人物の性質が丁寧に描かれていて、どの役者も主役級の丹精込めた演技を心掛けているようだった。脚本や演出がすぐれているからだろうか、それぞれの役者の持ち味が活き活きと表現されていて、名作だとおもった!
「救いようのない世界における救い」という壮大な主題が作品の根底に潜んでいるのではないだろうか、と観ていて考えさせられた。どうにもできない囚われの状況で、それでも「相手を大切に想い、支えようと志す人間がいる」ということが、実は救いなのではないだろうか。どんなに状況が最悪であっても、人間は相手を支えつづける意志を保ちつづけることができる。それこそが「ただひとつの希望」なのである。――そういうメッセージを、少なくとも評者は受け取ることができた。感謝している。
ひとりひとりの役者の真剣なまなざしと演技に圧倒された。これほどに直球勝負で演技に打ち込む青年たちが確かに居るという事実が、あまりにも感動的で、泣けてきた。この舞台作品にたずさわった役者をはじてとして舞台道具・照明・宣伝・運営を誠実にこなしている方々に尊敬の念をいだいた次第である。今後も期待している!