満足度★★★★★
本当に素晴らしい 改演出(快演出)!
転形劇場が1977年に初演し、その沈黙が支配する舞台に当時誰もが驚愕した『小町風伝』を、韓国の李潤澤(イ・ユンテク)氏が演出。
李潤澤氏は、太田省吾(転形劇場)の演出とは全く違うアプローチによって、
この作品に新たな命を吹き込んだ。
とにかく役者さんの演技が素晴らしかった。
演出も本当に素晴らしかった。
ただし、転形劇場の芝居が好きな人が観たら、賛否は別れると思う。
詳しくはネタバレBOXに書くが、私は転形劇場版と演戯団コリペ版はネガとポジの関係にあると思った。
これだけ個性の強い戯曲を、そして演出イメージも強く付いてしまっている作品を、ここまで自分のものとして演出できる李潤澤(イ・ユンテク)氏の実力、そして勇気は本当に凄いと思う。
スタンダードな古典を奇異に改変する(崩す)のとは訳が違う。
極めて特異な作品を、物語演劇に仕立て直しているのだ。
こちらの作業の方が、実は失敗する可能性は遥かに高い。
敢えてそこに挑戦し、成功を勝ち取っている。
久しぶりに作品テーマがどうこうと考える隙もなく、
演技と演出に魅了されてしまう舞台を観た。