音楽劇「それからのブンとフン」 公演情報 こまつ座「音楽劇「それからのブンとフン」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    フンに学べば良い
    オリジナルではやはり古いのかなあと思います。

    ネタバレBOX

    1975年の作品。ブンとフン自体は1969年のラジオ放送に続き、1970年に小説化されたということですから、その頃の世相や世界情勢が反映されているのでしょう。

    自首したブンたちを収容する刑務所の暮らし振りが快適なため、貧しい庶民の多くが事件を起こして刑務所に入ろうとするモラルハザードが起きてしまいました。ワーキングプアや少額の年金暮らしよりも生活保護の方が恵まれている現代にも通じるものがあります。

    ソ連と韓国は独裁国家で、翻訳するときに小説の内容を都合良く変えてしまうことから、多くのフンは一枚岩ではありませんでした。因みにソ連はブレジネフ、韓国は朴正熙の時代です。

    そして、ソ連や韓国のブンの攻撃からオリジナルブンを助けるために、フンが牢屋の壁に自らの血で新しいブンの小説を書き始めたところで終演となりました。

    新妻聖子さんの、仰向けになって顔をこちらに向けて、それでいて声量のある歌声には驚かされました。

    言葉遊び的な歌は面白くありませんでした。

    歴史的なものならいざ知らず、フンがオリジナルブンを生かすために新しい本を書き始めたように、井上ひさしさんの今を扱った戯曲を活かすにはオリジナルそのものではなく、新しい脚色が必要なのではないかと痛感しました。

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    2013/10/15 09:36

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