イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】 公演情報 劇団東京イボンヌ「イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    許すことが愛なのか?
    ベートーベンとマリアの愛には、感動するところもありました。マリア役の女優さんが素敵でした。
    けれども、現代の家族の話はついて行けませんでした。個人的には、あの話は無いほうがよかった。ベートーベンの時代だけで見たかったです。

    マリア役の早瀬マミさんと、浅見さんのピアノに☆一つ追加。

    ネタバレBOX

    母親の愛人から性的イタヅラをされていた少女が「それでも私たちの生活をささえてくれたよね」なんてセリフ、ありえないわ~。
    その幼い娘へのイタヅラを見て見ぬふりをしていた母親もわからない。つか、サイテーですよ。
    最後に、マリアさんと「お互い大変でしたわね」とか笑っているし。
    「おま、母親、それでいいのか!」と心で突っ込みました。
    「あなたとマリアは違うでしょー」と。
    この母親も、娘から簡単に許されすぎです。

    一方、好きなこと(研究)に没頭するあまりに月3万しか稼げず、妻にはDVをふるう丈一郎。家族を捨てて金持ちの女性に養ってもらいながら(それも『吹雪の日に家の前で倒れていた』っていつの時代のどの地方の話ですか?)、研究成果をだせたものの、末期がんに侵されて、最後はいろんな女性に許されて愛されて死んでいく。
    これも、都合よすぎる。
    がんで死ぬからって、DV男を、自分たち家族を捨てた男を、そんなに簡単に許せますか?

    テーマが「全てを受け入れ許す愛」と言うことで、上記のような都合のよい許しが描かれてしまったと思うのですが、何とも納得いかない脚本でした。



    観劇前に【東京イボンヌ復活にかける思い】という文を拝読しました。
    「どうしたら演劇でご飯が食べられるようになるのか」という強い気持ちが伝わりました。
    それに対して、個人的に、一観客としての思いを述べたいと思います。芝居の感想ではありません。

    その文中に「四季や宝塚のようにチケットが発売されると即完売する劇団がある。この違いはなんだろう」と書かれていましたね。
    私はかつて、四季も宝塚も、友の会にはいってまで通い続けたものですが、このふたつの劇団にあるのは強烈なリピート力です。見終わった後に、もう一度観たいと思わせる、音楽、芝居、役者の魅力。そして見るたびに新しい発見がある「生」の面白さ、息遣い。
    私の周りにも、宝塚や東宝ミュージカルは一公演を最低5回は観るというのがゴロゴロいます。新感線や三谷作品も、面白かったらリピートしますね。友達も誘って。チケット取るのが大変ですが。

    一方、小劇場の多くは、もう一度観たいと思わせてくれるものが、とても少ないと感じます。
    私の小劇場観劇歴はまだ2年ですが、ざっと200くらい観た中で「同じのを2回見たい」「これは友達誘ってもう一度観よう」と思わせてもらったのは、ほんの3作品くらいです。
    (面白いと思った劇団はもっとたくさんありますが、同じのをリピートしたというのは3つくらい)

    「お客様は気にいってくれたら来てくれるもの」
    これは、間違いじゃありません。気に入ったら、通います。友達も誘います。
    新たな顧客は、顧客が呼びます。口コミだけじゃない、好きになったらYou tubeでもニコ動でも、発信できるところは今はいくらでもあります。
    営業活動に力を入れるより、スポンサー活動に力を入れるより、面白い脚本を一本書いて、魅力的な役者と印象的な音で、ひとりの観客の心を動かすこと、それが大事じゃないかと思います。

    長々と、個人の意見を書いてしまいました。
    演劇関係者でもなんでもない(だからお金が無い劇団の苦労などわからない)素人が何を言ってる、って感じかも知れませんが、商業演劇のチケットを買って支えているのは、ただの演劇好きの素人です。

    次回、「これ絶対見た方が良いよ」と友達に勧められるお芝居を期待します。

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    2013/10/04 08:57

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