満足度★★
遊郭の10分間
しながわ宿場まつりの関連イベントで、花魁2人の特に大きな出来事も起こらない10分間を台詞無しで淡々と見せる、緩やかで艶っぽい作品でした。
鳥居清長の浮世絵『美南見十二候』を再現する趣向で、満月の夜に悪戯っぽく振る舞う2人の遊女の様子が描かれていました。歌舞伎の日本舞踊の女形の動きに比べると、滑らかさが欠けていると思いましたが、当時の実際はこの様な感じだったのかもしれません。
遊郭の一間を再現したセットが細部まで凝っていて、たった1日の公演だけの為とは思えないクオリティーでした。会場の真ん中にあって邪魔な円柱も上手く取り込んでいて、パフォーマンスでも違和感なく用いられていました。
ちなみに写真撮影可の公演だったのですが、観ることより撮ることに熱心な観客が多く、情緒の無いシャッター音や電子音が鳴り続けていて残念でした。ちゃんとパフォーマンス後に撮影タイムを設けていたので、上演中は撮影禁止にするべきだったと思います。