それはいつか終わる影踏み。
秘密裏に隔離された工場で飛行機を作らされ、でもそれぞれ事情があってそこにいる事でどうにか居場所を持てていた人々。そして天空にある坂を登ろうとする者と、それを阻止する者。冒頭から二つの世界が交錯し、何の事だろうと思わせる「?」がチラホラ。それがやがて紐解かれて行く頃にはもう見入った後の事。こういう構造の芝居を見慣れない人にとっては慣れるまでちょっと時間が必要でしょうが、それもそんなには長く掛からずに済むかと。冒頭は小ネタが多いので深く考えずに笑っとけばいいと思います。
どの役者も良かったのですが、女性陣が魅力的。単純に峰麗しいのもあるけど、心情を上手く汲み取らせてくれたかな。特に瀬戸千夏さん。無垢で元気なイズモだったからこそ、周囲で起きる出来事との温度差が見えた。日常的にそうはいない人物設定なのに「演じてる感」を意識させないのがよかったです。
小劇場でよく見る客層と違ったのが印象的。同じ様な立場にある小劇場の役者とかあんまりいなかったのかも。なんか見た目に鮮やかというか、貧乏じゃない人が多そうだった(笑)。そんな中、「この人は絶対に普段は芝居とか観ないな」って感じの方が隣の席でした。女性なんですが、大股を開いたり片足を椅子の上で抱えたり。ぶっと『ぶすー』っとした顔をしていたので、この人が終演までに見入ったりするのかを勝手に気にしていました。そしたら、あるネタで声を上げて笑ってた。へー、そこなんだー。