『ジャンヌ』 ―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実― 公演情報 世田谷パブリックシアター「『ジャンヌ』 ―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    聖女ジャンヌの英雄的活躍ではなく、その存在をめぐる周辺の人々の困惑、動揺、詭弁…宗教裁判と死後に比重がある。
    もうおなじみジャンヌ・ダルクの物語。
    ここ数年の舞台でも、毎年のように登場するジャンヌ。
    その英雄的活躍を描くわけではなく、
    彼女が周辺を巻き込んで、その登場を利用する者、
    活躍に困惑する者、自分の地位を守らんとする者など、
    政治、宗教、関わる人々の思惑を描く。

    特に宗教裁判で、公正を規そうとする流れと、
    片や感情的な攻撃、あくまでも理論的に進めようと
    したり、形式的で空虚な結論が見えたりと、
    駆け引きが錯綜する部分が興味深い。

    これに加えて、火刑の後、夢幻の世界で
    各人物が再登場し、本音と愚痴を交し合う。
    このシーンは、これまでとは打って変わって、
    意図的に陳腐な会話が続く。
    作者は、もう絶対に、裁判とこのシーンが
    特に描きたかったのであろうということは明白。
    観ているこちらも急に突き放されたようで白けてしまう。
    そこまで意図されたであろうとおりに。

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    2013/09/22 15:31

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