満足度★★
演出家、演出に溺れる
昭和十年代、当時としては珍しかったであろう自由な考え方の女性を中心とした日々の生活と恋愛模様(ちょっと違うか)。
丁寧に描いた中に忍び寄る戦争の足音をも織り込み、総じてよく出来ているのだが、エピローグ部分が残念。
プロローグと対で現代パートなのだが、プロローグでは全て外されていた(写真館の)壁の写真がエピローグで半分も飾ったままというのが何とも…。
現在の人物のバックに幻の如く過去の人物が再登場し、壁の写真を外して胸に捧げ持つというラストシーンのためだろうが、プロローグと対になっているエピローグなのに見た目を変えるのは致命的(過去を改変して少し違う現代に戻るタイムスリップものではあるまいし)、「策士、策に溺れる」ならぬ「演出家、演出に溺れる」といったところか。
あと、当日パンフレットのあらすじに「昭和十年代頃」とあったが、「年代」に「頃」を付けるのは変。「昭和十年代」か「昭和十年頃」では?