最高傑作 Magnum Opus “post-human dreams” 公演情報 劇団銀石「最高傑作 Magnum Opus “post-human dreams”」の観てきた!クチコミとコメント

  • 「SFの緊迫感と古典性」ー次世代への詞

    四部作のオムニバスである。

    「人とロボット」を主軸のテーマに描いた、SFドラマである。

    時間の流れを確認すれば、一話、四話、二話、三話の順だろう。

    「オムニバス」を謳っても、その順番で一つの大作を発表することが まず思い付く構成である。
    しかし、ロボットが人の労働をこなす社会の到来した近未来を「立ち会う」にあたり、むしろ断片的だったのは 良 かった。

    一シーンごとが、30分前の「ハイライト」なの かもしれない。
    それは、個人にとっても、社会にとっても、人類にとっても、文明にとっても。
    歴史の分岐点の、30分前を切り取るのである。

    筋道を辿ってゆく大作より、「オムニバス」の方が良かったと考えるのは、そうしたシチュエーションの為だ。
    緊迫した状況下、ギャラリー公演だから「客席」という逃げ場すら存在しない。
    私たちは、「観る」のではなく、「いる」人々である。

    目の前に現れたSFを漂う会話劇は、どこかチェーホフの それを匂わせた。
    叙情的なのだ。
    役者の演説調に叫ぶ姿も、古典的なモチーフを思わせる原因なのだろうか。

    ネタバレBOX


    四部作ラストに響き渡った台詞は、「人類の夢は終わった。そして、最後は君たちの番だ」である。

    一話、二話、緊迫を煽っておきながら、三話、そして四話でキング牧師を彷彿させる「メッセージ」が放たれる。
    何という軟着陸なのか。
    このような「コマネチ」級の軟着陸を やってのけるパイロットは一体、誰なのか。


    たしかに、一話、二話、三話で登場人物の人物設定に差を認めることができなかったのは残念ではある。
    特に、男性陣2名の演じた登場人物を考えると、混乱に陥った様のみで、「オムニバス」を効果的に使う姿勢は皆無だった。(三話は やや違うが…)


    続く。

    0

    2013/09/18 00:59

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大