満足度★★
フィクションの家族
テクノやハウス等のダンスミュージックに乗せて家族の模様が描かれた作品で、大人数でのダイナミックなダンスが印象的でした。
踊りながら喋って家族のメンバーを紹介するソロリレーから始まり、普通の家族の情景をユーモラスに描くダンスが展開する構成で、中盤ではラップと映像を交えたエネルギッシュな群舞もあり、メリハリがありました。
シャツを丸めた物を赤ちゃんに見立て、家族皆で可愛がる終盤のシーンで、男性ダンサーが演じる母親がそれは赤ちゃんではなく唯のシャツだと述べることによって、舞台上で演じられていた家族関係も崩れて行き、演劇のフィクション性と、現代における家族の繋がりの脆さを表現しているように感じました。
メンバー間でダンスの実力差が見られたものの、ストリートダンス的なムーヴメントを用いた振付に躍動感があり楽しめました。
ダンスがメインの部分と台詞がメインの部分の繋がりが弱いと思いました。各シーンが少々長く感じられ、1~2割刈り込めば最後まで一気に持って行く流れが出ると思いました。