犬、だれる 公演情報 劇団HOBO「犬、だれる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    小林さやかさん快演
    HOBOは、おかやまはじめさんのファンなので、観始めた劇団です。

    皆さん、実力ある俳優さんばかり。

    だから、つい安心して観てしまうのですが、これだけ達者な役者さんが揃っているのだから、たまには、劇作はプロに任せた方が更に面白い舞台になりそうな気がします。

    役者と演出のおかやまさんは満点ですが、劇作には、どうもスパイスが不足している気がして…。

    今回、一番気に入ったのは、時男さんと直子さんでした。直子役の小林さんは、青年座の中でもとりわけ好きな女優さんですが、演技してるのを感じさせない、それでいて、抜群の計算され尽くした役作りぶりに、いつも脱帽します。

    松本紀保さんの寝顔が美しいことも、新たな発見でした。

    ネタバレBOX

    役者さん、皆さんお上手だから、ついつい好意的に観てしまうのですが、どうも脚本に旨味が足りない気がしてなりません。

    沖縄の離島らしき島が舞台で、不発弾や焼夷弾が近くに転がっていたり、不穏な空気の中で、お気楽に暮らす人々が登場し、確かに、親近感は持つものの、作者がこの芝居で何を訴えたかったのかが今ひとつ見えません。

    幾ら、親交のあった照之だからと言って、警察官の前田さん、犯罪者逃亡に加担しては、やはりまずいでしょ!彼の犯罪に、情状酌量の余地はないのだから。一般人の友人や愛人が彼を逃がそうとするのとはわけが違うし…。

    「あまちゃん」の話題を出し、「じぇじぇじぇ」に似た、「ズベベ」(だったと思う)なんて、感嘆詞を作っても、それ以上広がらないから、特に面白くもないし、正子と秋平の口喧嘩で、二度同じ台詞の応酬を繰り返しても、客席の笑いを誘発もせず、何となく、劇作に、中途半端さが否めませんでした。

    「犬だれる」なる名称の世にも美味なる魚を食べて、食べるとオイルが肛門から駄々漏れするという設定で、大の大人が皆オムツをしているというのも、構図としては面白いのですが、それが、作品の本質にまで波及せず、それで終わってしまうのも、何かもったいなさを感じました。

    そうは言っても、おかやまさんの前田さんの演技には、心から癒され、幸せな時間を過ごすことができたのは、正直な告白です。

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    2013/09/14 20:51

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