僕にしてみれば正義 公演情報 箱庭円舞曲「僕にしてみれば正義」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    何だろう、この残念感
    『見渡すかぎりの卑怯者』などの外部仕事が好きで、今回初の
    箱庭円舞曲。作品のテーマも他の人が既に話しているように
    すごくアクチュアルだし、演劇として調理するその手腕も高い。
    冒頭の演出含め、全てが高レベルなのに、なぜか、満足できない。
    どうしてか考えた末の理由は以下、ネタバレに。

    ネタバレBOX

    この作品が物足りないのは、いい意味で意固地な人間が
    いないところですね。「徴兵忌避」、という、最初の前提から
    既に作品世界ではタブーの行為を犯しているわけなのだから
    誰になんと言われようと、その見苦しさを最後まで保って欲しかった。

    なんか皆、少し強く押されただけで、自分の頑固さが砕け過ぎ。
    そんなに覚悟の無い人間ばかりが、結局、この家には集まって
    いたんだよ、という、作者からの隠れたメッセージだったの
    かもしれないけど…。

    子供作ることが、国家への反抗です! って言ってたやつなんて
    それからすぐに逃げ出しちゃったりしてて、悪い意味で見苦しい。

    なんだかんだで、一番ブレないのは、あの壊れて音の出ない
    機器を首からぶら下げて聞き続けている人かな。人としては
    ものの見方が斜に構えすぎてて好きになれるタイプじゃない
    けど、一番ルールを守ってやってた気がする。

    それにしても、みんな言うことは格好いいんだけど、それに
    見合っていない、と言うのが、妙にリアリティある感じ。
    戦場帰りの男なんて、最初言うこと筋通ってていいじゃん、
    とか思ったけど、除隊した真の理由を知って萎えたわ。

    最後、古川氏が、近作で対談する須貝氏に向けて花束
    用意してて、そういうところに拍手する手も熱くなっちゃいました。

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    2013/09/02 23:43

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