木 公演情報 ろりえ「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ウィットに富んだフィリングとともに
    劇場に似合わないスケールを物語なのですが、
    適度にはさまれるウイットに溢れたシーンが
    作品に絶妙なふくらみを与えて・・・。

    観ていて、描かれる時間の長さを体感しつつ、
    時間を感じずにサクサクと舞台を楽しむことができました。

    ネタバレBOX

    少年とその周りの人々の
    中学生から中年までの時間が描かれていくのですが、
    単につらつらと語られるのではなく
    そこには、作り手一流の語り口があって、
    長い物語をちゃんと負わせてくれる。

    主人公にしても、3人で演じ繋ぐことで、
    それぞれの年代の青さや茂り方や朽ち方が
    うまく引き出されていたように思います。

    なんだろ、作り手の物語を遊び心とともに語る
    センスのようなものに惹かれる。
    回り舞台にしても、
    木の美術にしても、
    先生のコーラスの男女比のこだわりや、
    ポリスの兄弟の作りこみにしても、
    馬にしても熊にしても、
    ひとつのシーンを彩るだけではなく、
    貫かれて物語を貫く骨格の一部として機能して、
    物語に重くないボリューム感を与えていて。
    役者達の、刹那を描く力だけではなく、
    物語全体を支えるトーンをロールに編み上げていく力が
    澱んだ重さにならない、しっかりとした量感を舞台に与えていく。

    ちょっと良かったりすっと心惹かれるシーンも
    良い塩梅に散らされていて。
    島の住民や転校生の恋の顛末とか
    工場の駄目従業員が高揚していく様も、
    主人公の子供を授かった母親の風情も
    作品に色というか奥行きをうまくかもし出していて。

    観始めたころのろりえの公演といえば、
    所属女優や客演の役者を観にいくかという感覚があったけれど、
    最近の公演では、それに加えて物語自体を楽しみにいくという意識が強い。
    また、いろんな美術や設定の外連も楽しみになっていて。
    今回の作品も、期待にたがわず、
    素敵なボリューム感とともに味合わせていただけました。

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    2013/08/29 11:04

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