千枚皮姫 公演情報 コマツ企画「千枚皮姫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    不思議なフォーカス
    一人芝居の制約の中で
    物語は編みあがっていたし、
    伝わってくる世界がありました。

    ただ、その世界は通常の世界とはちがった
    フォーカスで組みあがってくるような感じがあって。

    少々戸惑いを感じた部分もあり
    不思議な感触に捉われ続けた舞台でもありました。

    ネタバレBOX

    なんだろ、
    物語が、舞台上や役者と観客の間にあるのではなく、
    そのフォーカスも、役者の演じるもののさらに奥に定まっていて、
    こぼれ出てくるものが、舞台に断片的に散らばっている感じ・・・。

    舞台上に、役者が台詞や身体で、
    母にしても、娘にしても、
    それぞれのつれあいにしても、
    その印象を紡ぎ上げてはいるのですが、
    そこに密度のコアはなく、
    役者自身が演じるロールが舞台の奥に眺める何かを、
    その後ろから一緒になって垣間見ているような感じがする。

    作り手が、意図的にその不可思議な感覚や視野を
    観る側に与えているのであれば、
    それは新たな表現の引き出しだとはおもうのですが、
    よしんばそうであっても、
    作り手が、より第三者的に舞台を眺めうる作劇の環境
    (モニターとか稽古時の視線とか・・)を持てば、
    もっと鋭く濃密な切っ先が編まれたのではないかなぁと
    思ったりもしたことでした。

    観終わってじわっとまとわりつくように残る
    ひとつのテイストに留まらない肌触りを持った舞台で、
    ラフな語り口からは予想できなかった残像の焼きつきのようなものがあって
    心捉えられたのですが、
    一方で、たとえば、初めて演劇に触れる方には、
    少々馴染みにくい質感をもった舞台だったと思います。

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    2013/08/21 11:36

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