黄金のコメディフェスティバル2013 公演情報 黄金のコメディフェスティバル「黄金のコメディフェスティバル2013」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    だって、アレですよね、
    こういういろんな団体が集まって、十分とは言えない時間でいろいろやるやつって、なんていうか、ぶっちゃけ名詞代わりというか、本公演の6割ぐらいの感じになるやつですよね。


    って、思っていたら、いい意味で裏切られた。

    あ、「大好きチーム/保木本真也がプロデュース、ポップンマッシュルームチキン野郎」です。

    ネタバレBOX

    見たのは「大好きチーム/保木本真也がプロデュース、ポップンマッシュルームチキン野郎」。
    偶然だと思うが、両方とも、カップルの愛情を描いていた。
    アプローチも内容も違うのだが、45分という短い上演時間の中に、ギュッと詰まっていた。


    <保木本真也がプロデュース『emiko』>★★★★
    「コメディユニット磯川家」の脚本・演出の保木本真也さんのユニットなので、てっきり磯川家っぽいドタバタなコメディなのかと思っていたら違っていた。

    なんとも言えない、気怠い空気感が漂う。
    いかにもいそうなカップル。30代、これからどうしょうという不安の中にいる。
    大好きチームの初日だったので、少々固さは感じられるものの、コロさんと久保真一郎さんの2人のやり取りがとてもいい。
    お互いの微妙な距離感。女性側からの視点で描かれており、つかみどころのない男の気持ちを探り探りながらのコロさんのもどかしさがうまいのだ。

    キノコ男爵からアワビ夫人の登場で、お下品でドタバタな展開になるかと思いきや、それほどでもなく、「子どもが出来た」という女のウソ(友人の報告を受けて)に、悲しくかかっていて、バカバカしい仮装に哀愁さえ感じた。

    ラストは彼らカップルの設定にしては、出来すぎな展開かもしれないが、現実的な着地点、わずかな一歩がうまいと思った。

    笑いは少ないけれど、好印象の1作。

    それにしても、「絵本作家」=「演劇」ではないですよね?(笑)


    <ポップンマッシュルームチキン野郎『死が二人を分かつまで、愛し続けると誓います』>★★★★★

    いつものPMCであれば、お下品でアブナイ笑いでグイグイと行き、最後は、ほろりとさせたりするのだが、今回は、お下品でアブナイ笑いのパートは、ぎゅっと凝縮されており、タイトルどおりの「ちょっといいハナシ」が全面にグイと出ていた印象。

    ……「純愛」的な、そんなやつですね。

    とは言え、体のあちこちから血を流している幽霊たちが舞台の上にいたりするのだけれど。

    もともと、PMCの舞台には、芯となる部分には、こうした例えば愛情だったりがあるのだが、どうしてもキッツイ笑いのほうに意識がいきがちで、そういう芯の部分が、やや取って付けたように見えてしまっていることもあった。
    しかし、今回は、その両者のバランスがいい。

    また、物語の軸となる夫婦の関係をことさら煽るわけでもなく、かといって中途半端でもない、いい塩梅で描いているのだ。

    そして、お下品だったりアブナイ笑いのパートは、職人芸のようにきっちりと責めてくる。
    これはいつものPMCの舞台でも同じなのだが、今回はそれほど出番が多くない俳優もいる中で、悪目立ちをせずに、きちんと自分を前に出し、笑いを確実に取り、脇に去っていくのが見事で、ホントに職人芸のようだったのだ。
    役者も演出の呼吸がわかっている、そんな印象だ。

    オープニングで「彼らは何してるんだろう?」の引っ張り方から、ストーリーを展開させるテンポの見事さ。
    そして、とんでもなく多い登場人物のコントロールのうまさもある。冒頭も3人姉妹にするとか、幽霊もすでに一杯なのに、原始人の奥さんやマンモスも登場させるとか、それなのに破綻しないし、短い時間なのに無理を感じさせない。
    しかも、細かいところまで神経が行き届いているなと感じさせる。
    ラストの、長女の相手の立ち位置とか笑った。

    今回もお下品でアブナイ笑いは面白かった。大笑いするのが憚れるぐらい。
    黒人兵との出会いとか。

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    2013/08/19 06:55

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