サブちゃんが10人の女の子に分裂した!?
平均年齢15歳、10名のティーンズで構成された「東京 パフォーマンス ドール」(TPD)による、LIVEあり、舞台ありの90分。
本作は世界初の、HMD=拡張現実 の技術を舞台に取り入れる試みで、日本経済新聞に特集されるなど、各方面から期待の声が上がっていた。
HMD席に座った観客は、専用のメガネを装着した上、終盤の「ダンスサミット」というレビューのコーナーを鑑賞する。
メガネのディスプレイへバーチャル映像が表示され、TPDの歌や踊りとともに鑑賞する使途らしい。
残念ながら私は、一般の客席であったため、HMDを舞台へ導入した その評価について語るべきではないだろう。
舞台は東京•渋谷のスクランブル交差点から始まる。
TPDの10名がコンクリートの上を歩いていると、突如として地下へ落ちてしまった。
行き着いた先は、バーチャルな「自分の思い通りになる」世界であり、メンバーは混乱状態。
近年、「謎解き」イベントが社会的なブームとなっているが、その理由は参加者も「体感」できるからだ。東京ドームを会場とした大型イベントさえ開催された今日、「謎解き」は一つのジャンルである。
だから、演劇としてではなく、ゲームの参加者として「体感中」の女の子が立ち向かう姿を踏まえて観劇した方がよい。
それを主催者は「LIVE」とも言い換えた。
ETV『天才!ビットくん』をモチーフにした作品ではなかったか?
何となく、舞台を観劇する感覚よりかは ドラマを視聴する感覚に近いのも、同番組をモチーフとした結果 かもしれない。
音や光、映像を効果的に使い分け、極めてスタイリッシュな場を作り上げるなか、現代のティーンズはスラリと溶け込む。
洗練されたグループ=TPDの一員が半導体の無機質な部品となって、スタイリッシュな舞台を生むのだ。
(衣装に「バブルの頃」を感じたのは私だけ か…。)
舞台+レビューの代名詞は「北島三郎」である。
サブちゃんが15歳前後の女の子に分裂し、パフォーマンスを磨けば、きっと現すのはTPDだ。
そして それは、HMDを使用した拡張現実でしか あり得ない。