お酒との正しい付き合い方 公演情報 月刊「根本宗子」「お酒との正しい付き合い方」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    酔っ払いのロジック
    タイトルどおりの酒が絡んだお話ではありましたが、
    酔っぱらいの編むさまざまな態や理屈のはみ出し方が
    実にいろいろに面白くて。
    しかも、笑ったその先の、
    酔いに編まれたロジックの踏み出しと貫きに
    がっつりとやられてしまいました。

    ネタバレBOX

    姉妹の設定での二人芝居、
    前半の酔っ払いの態には、良い部分とちょっと硬く感じる部分があって。
    微妙な会話の噛みあわなさや、しつこさや、
    時々きゅっと上がるテンションの高さなどは、
    十分に及第点のお芝居。
    ただ、ちょっとしたことがうまく機能している部分とそうでない部分のバラつきがあって、
    たとえば、無理矢理にカーラーを外す仕草や、
    片方が電話しているときに、
    歯止めをなくしたチャチャを入れる感じも
    うまいなぁと思う反面、
    酔っ払いの細かい所作の一部には、
    刹那の仕草が上手く切り取られ過ぎて
    全体としてやや硬い印象に陥った部分もありました。

    でも、前半から、酔っ払いどおしの会話の可笑しさは
    きちんと担保されていて、
    しかもその展開で終わらないのが、
    この作り手の凄いところで・・・。

    後半の姉妹間の酔った態での不毛なアイドル男子の取り合いまでは
    そこそこ、ふつうにある展開なのですが、
    そこに迷惑メールの話が絡み、
    酔っているからこその踏み出しに現実への俯瞰が生まれ
    アイドルが与える夢とリアルの関係性までが晒されてしまうに至って
    観る側は呆然。
    ロジックの展開の切れや
    夢の醒め方の鮮やかさにぞくっときたことでした。

    観終わって、
    前半のふたりの酔い方が
    後半の展開を、単なる醒めたアイドルファンの想いに留まらない、
    別の次元への踏み出しに導いていることに思い当たって。
    その酔いっぷりには、さらに旨味を醸し出す若干の余地を感じたものの、
    それが刹那の笑いに留まらず、
    作品の一番の見せ場をしっかりと際立たせていることに
    感心したことでした。

    従前の同じような作品群と比べても、
    一味異なる切っ先をもった秀作だと思います。











    0

    2013/08/17 01:30

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大