飛龍伝 公演情報 COTA-rs「飛龍伝」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ラストプリンセス
    これまで多くの飛龍伝をみてきた。
    本作は、つかこうへいが最後に手がけたバージョンであり、病床から指示を出したりしながら上演に至ったと記憶している。黒木メイサが琉球王国のラストプリンセスを演じたわけだが、おそらくこのバージョンを再演したのは今回が初めてとなるだろう。戯曲はトレンドシェア版の飛龍伝に併録されている。
    つかこうへいは晩年異様なまでに原発に固執し、熱海殺人事件の犯人大山金太郎まで原発作業員に仕立てている。飛龍伝でも本作で初めて原発に関わる部分を入れたわけだが、まだ実験段階としか言えず、作品の一部としてきちんと消化しきれていないように思われる。
    しかし実際に大地震により福島原発が大変な事態となったのはつかこうへい死去後のことであり、今に至っても何ら解決していないことから、つかこうへいの原発への異様な拘りは、人類に対するある意味黙示録であったと言えよう。
    さて、今回縁があって、COTA-rsによる本作を久々に観ることができた。個人的には桂木という役はあまり好きではないのだが、今回の桂木はとても良い演技をしていた。山崎一平もまた良く、満足いくものとなっていた。
    台詞を大勢で唱えるという手法が随所に観られたが、これには賛否両論があるだろう。私的には台詞が聞き取りにくい箇所もありあまり賛成できない。
    できることなら、次の機会には、90年代バージョン、殺戮の秋などで再演されたらいかがかと思う。

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    2013/08/03 16:51

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