若手劇団へのオマージュ
若手劇団へ、オマージュを。
ワン•シチュエーションの舞台を多数造り上げてきた『ソラリネ』が、“青春”というワン•テーマの上に構成する舞台である。
現代の若者を象徴するようでいて、SNSは ほぼ登場しない。
「ファミレス」や「ロック」等々、現実生活の中で生じる苦悩を スクリーンに映し出した。
それは、心の中の あなた でしょうか?
彼ら へ当たるライトは、一人ひとり が分かり合えない孤島であることを示す。
2人の孤島の間に 珊瑚礁のカーテンを敷き、分かり合えたら、往来も自由だろう。
仲間とか、恋愛とか、孤島同士の海は、いつも海溝が 覗く。
CO2排出の影響だろうか、“青春”から発せられるガスは海面を上昇させ珊瑚礁を溶かす。
音響 等々、若手劇団の 青春恋愛作品では よく聴くジャンルであった。
「独白」とも受け取れる、心の中の あなた。
そして、「ファミレス」へ、「ロック」へ連なる孤島諸君。
ラストの展開は、珊瑚礁のカーテンの喪失に代わり、とても温かい結末だった。
猫であっても、言葉が通じなかったとしても、その海には珊瑚礁より長い猫じゃらしが 拡がっている。
気持ちの良い、引き込まれる感触だった。