満足度★
人間を描いてほしい
芝居というのは、所詮虚構です。
劇作家が、テーマを決め、登場人物を造型し、それを役者が演じる、嘘の世界。でも、作者は、生身の役者の肉体を使って、本物の人間の姿を舞台に再構築するものではと、私は思います。
相変わらずの、お茶の間芝居的な、自然な会話のやりとりに、前半、ヒロセさんらしい、至近の人間の喜怒哀楽芝居かと期待しました。
でも、後半の展開は、滅茶苦茶です。人間の性を全く無視して、作者が、頭で考えたストーリーだけが、私の心を置き去りにして、どんどん進み、愕然としました。
たとえば、拉致被害者の家族の心情を想像してみてください。
もし、めぐみさんが、目の前に現れた時、横田さんご夫妻ならどうされるでしょう?あんな状態で、探し求めた家族を放置するでしょうか?
芝居は、所詮虚構で、登場人物は、作者が創り出した架空の人間です。
でも、わざわざ舞台で上演するのなら、舞台上の人物は、実際にいそうな人物であるべきです。
この作品は、再演だとのこと。ならば、尚のこと、この展開には、疑問が湧くのみでした。
役者さんの演技には、何も問題がないだけに、この曰く言い難い不快感が残念でなりませんでした。
2013/08/15 02:00
2013/08/14 20:23
決して、耳障りの良くない意見に対して、真摯に受け止めて頂き、恐縮です。
事細かには書きませんでしたが、他にも他の方が指摘されているような、気になる点は多々ありました。
ヒロセさんの作・演作品が好きな人間として、今回の舞台には、残念な部分があまりにも多かったので、正直に書かせて頂きました。
舞台設定や、人物配置が、前回の舞台と酷似していた点も、やや気になりました。
次回の公演で、またヒロセ作品を好きだと感じられることを楽しみにしています。