小さい つ が消えた日 公演情報 ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ「小さい つ が消えた日」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大人の望む子供 と 実際の子供
     子供の感性に配慮した作品。

    ネタバレBOX

     “っ”は小さく、それ自体では発音されない為、五十音村の仲間達から馬鹿にされ傷ついて家出をしてしまう。最初は、初めて出会う外界を怖く思ったりもしたが、言葉を持たない星や太陽、海や空と出会って、“言葉そのもの”にはなれないと悩んでいる自分にも居場所はあり、自分は、宙から来たのかも知れないと幻想を抱くに及んで、漸く、心に安定の兆しを見せる。
     一方、“っ”を失った五十音村では、言葉が崩壊しかかっていた。人間界も同様である。弁護士に相談に来た者と、弁護士の会話で、「訴える」が「歌える」になってしまうなどの混乱が生じていたのである。このままでは、五十音は、人間から見捨てられ、他の表現手段にとって代わられる、との危機感から、父である大きな“つ”のみならず村総出で小さな“っ”捜索が始まるが、杳として行方は知れない。村の皆は、苛立ち、互いに彼を追い出すに至った罪をなすりつけ合ったりして争うが、長老の提言で、人間の手を借りることによって、彼にメセージを送ることになった。幸い、そのメッセージに応えて、彼は帰村することになった。それを祝い、皆の骨休みも兼ねて、村総出で温泉へ保養に出掛けることになった。その日、人の世界は丸一日、静かであった。
     ストーリー、主張がしっかりしており、メインストリーム、サブストリームの連携も良いので、子供にも分かりやすく楽しい作品に仕上がっていたが、更に子供を熱狂させるには、矢張り、大人たちの常識に囚われないナンセンスや不可解性を導入してみても面白かろう。例えば、「不思議の国のアリス」や「銀河鉄道の夜」などのような。

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    2013/07/20 11:13

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