きれいなお空を眺めていたのに 公演情報 こゆび侍「きれいなお空を眺めていたのに」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    舞台の傾斜は必要だったか?
     観た人はお分かりかと思いますが、本作の舞台は奥から手前(つまり客席側)に向かって大きく傾斜しており、けっこう急な下り坂を成しています。
     この傾斜って必要なの?と率直に思いました。
    (ネタバレBOXへ続く)

    ネタバレBOX

     まず何より、傾いた舞台で芝居をするのは大変だろうし、観ているこちらはそんな不安定な舞台の上で演技する役者さんの身を案じるあまり、いまいち観劇に集中できないし…。
     本作は一種の終末譚で、舞台に傾斜をつけたのは終末に付きまとう不気味さ、不安定感、非現実感を表現するための演出だったのかもしれませんが、このお芝居は主役の夫婦が「世界が終わるかも…」という噂話を契機として自分たちの生きる日々の現実を見つめ直し、再生していくお話です。
     であるならば物語の軸足は夫婦の生きる“現実”の側に置かれているわけで、決意も新たに“地に足のついた”人生を歩もうとする夫妻に傾斜のついた不安定な舞台は似つかわしくありません。
     ちゃんと“地に足がつく”よう水平な舞台にするべきだったと思います。
     と、批判めいたことを延々書いてきましたが、私にとっての“初こゆび侍”となった本作に上記の点を含めいくつかの難点を感じながらも、当方はこの舞台を総じて好意的に鑑賞しました。
     話の本筋との関連が薄かったとはいえ、たびたび舞台に登場してはバカっぽい作り声で駄話を繰り広げる女子高生コンビが「長介工事のバカ兄弟」を彷彿させて愉快だったし、何より、夫婦が偶然にも共有していた“世界の終わり”のイメージが面白かった。
     空に巨大な手の平が現れ、ハエを退治するようにバシン!と世界を叩き潰す。
     勝手にそう思い込んだ夫妻は手の平をグーチョキパーのパーに見立て、まさかの時に備えてチョキを早出しする練習をするのですが、チョキがピースサインとフォルムの点で同じ事からチョキに平和のイメージが重ねられていた点にも興趣が感じられました。
     世界の破滅を平和が跳ね返す。それを照明、音響など使えるものを総動員して詩的に表現した美しいラストシーンは今なお記憶に新しいです。(って、観てからそう何日も経ってませんが…)

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    2013/06/26 22:31

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  •  コメントをありがとうございます。
     疑問が解決してスッキリしました。
     ただ、結末についての別解釈とは何なのかという、また新たな疑問が湧いてきましたが…。
     

    2013/06/27 13:40

    舞台装置のモチーフについてある「作品」を連想したので成島さんに尋ねたところ、その連想はアタリで、「不安定さ」を表現したかったそうです。
    よって、演者が演じにくかろうとも傾斜を付けたことも、お察しの通り不安定さの表現だと思われます。
    なお、結末についての解釈は2通りあるのでは?とも思います。

    2013/06/27 10:47

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