崩れゆくセールスマン 公演情報 劇団青年座「崩れゆくセールスマン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    昔の詐欺事件がモチーフの様子
    昔、豊田商事事件というのがありました。

    ペーパー商法で、顧客に金を売ったと見せかけて、実際の金はどこにもなかった、濡れ手で泡の商売。

    我が家にも、頻繁に、この会社から勧誘の電話がありました。

    でも、私は、いつも応戦して、逆に、演技の勉強をさせてもらっていたりしました。

    だから、変な話、妙な懐かしさを感じました。

    青年座の役者さんの演技には、大満足。特に、息子と同期だった嶋田さんの演技の幅が飛躍的に伸びたことが実感できて、嬉しさひとしおでした。

    ただ、期待した野木さんの脚本には、やや不満も残りました。
    女優さんの台詞に、苦心されたからなのかもしれませんが、野木さんの本領が発揮されていないように感じました。

    ネタバレBOX

    この詐欺会社の名前が、帝塚商事というので、個人的に、とても受けました。

    そういえば、今WOWOWで放送中の、食肉偽装のドラマでも、手塚商事というのが出て来ます。(笑)

    たぶん、実際の豊田商事事件の頃が舞台になっているからだと思うのですが、今の詐欺はもっと巧妙で、騙す側に人情なんてないし、マスコミも、ほぼ同じ穴の狢で、毎日のニュースも詐欺まがい。

    きっと、作者は、今の詐欺を書いても、ドラマにはならないので、昔の詐欺を書かれたのかもしれないですね。

    セールスと詐欺は紙一重。騙す側に、人を陥れる意識があるかないかの違いだけなんでしょう。

    このお芝居では、騙されるおばあさんにも、事情があり、自ら好んで騙されているというオチがあるのですが、芝居の早くから、セールスマンが、この老女の真意に気づき始めてしまうので、ラストの展開がそれほど衝撃的でなく、観客にも察しがついてしまうのは、あまり効果的ではないような気もしました。

    300円ちょっとの、安易な教師の施しを根に持って、金に恨みと執着を持つ、帝塚商事の社長の背景ももう少し知りたい欲求もありました。彼は、安藤という名前なのに、何故、帝塚商事という会社名にしたのだろうか?とか、いろいろ気になりました。

    それにしても、豊田商事の社長は、マスコミの前で殺されて、事件も核心をつくことなく、うやむやになりました。マスコミを賑わせる大事件の主役って、どうしていつも闇に葬られて、事件もそれと共に、フェイドアウトしてしまうのか?

    次回は、是非、野木さんにはそういう面から考察した本を書いて頂けたらと思いました。

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    2013/06/23 22:57

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