あの頃の若者でしか、造れないエンターテイメントがある
70年代、80年代の若者が持つ、型に収まらないエネルギーを放出していた。
オープニングに登場した上半身裸の男達、通称「男肉」は出落ちした状態だった。
開場時間中に15分、メンバーである○○○○○○○が亜流のラップを鳴らしていたからである。
三曲とも、オール“下ネタ”。ニュアンスではなく、“ことば”を連発させる そのラップは もはや過激でも何でもない。
「ダンスユニット」を自称する “男肉”だが、「ロマンティックが止まらない」を皮切りにカラオケ大会が始まった。
踊りは激しいだけで、統一された
しなやかさは皆無だ。
だが、それも含めて、一つ言えることがある。
この劇団は、近畿大学のグループが集まった、いわば大学サークル的な「勢い」を大切に残す。
もちろん、コメディという点では文句を付け難い。
観客との一体感は、並外れた吸引力を保有する為である。
これを、“ダイソン式の舞台”という。大学のサークル的な集団だからこそ、誰しもを巻き込む吸引力を保つ。
『サイ○ーグ007』、『銀河鉄道○○○』などの作品をモチーフとするキャラクター、話が登場する。
石ノ森章太郎?
ラスト語った団長によれば、メンバーの平均年齢は28歳らしい。
「ロマンティックが止まらない」から石ノ森章太郎まで、全部、リアルタイムに接した年代ではなかった。
そういえば、“男肉”のメンバーの顔は70.80年代の若者だ。
記録映像でインベーダーゲームに励む若者である。
色々な意味で不細工な男の裸は、違う意味の魅力を感じる。
飛び散る汗は、全てを正当化させる印籠だろう。
70.80年代の若者が、この時代のエンターテイメントを変えるかもしれない。
ジーパンに、汗を。
女に、金髪のカツラを。