うさぎストライプも演劇展 『おやすみおかえり』 公演情報 うさぎストライプ「うさぎストライプも演劇展 『おやすみおかえり』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    進化してる新作
    会場に入ると、舞台美術にやられる。シンプルで機能的だけど、すごく雰囲気出ている。エアコンの冷房強め設定が、上演中の熱量の高さを感じさせてテンションあがる。実際ものすごい濃い60分でした。始まったらあっという間。

    ネタバレBOX

    天井に吊られたビニール傘に照明があたってカラフルになるシーン、すごくきれいでした。

    放射背物質が舞う地域の話。子供を亡くした夫婦が出てきたり、これから子供が生まれる夫婦がドイツに移住しようとしていたり、その地にあったディスカバリーセンター(?)がなくなったり。今はもう無くなってしまった時間や場所や人間関係に思いを馳せる登場人物たちはとても哀しい。みんな、「当たり前」だった頃のまま時間を止めようとするけれど、それは叶わないからだ。そんな中、劇中に認知症のお父さんが出てきて、彼は娘が小学生だった頃の思い出で記憶が止まっているシーンは見ていて苦しくなった。彼だけは良かった時のまま、生きていけるからだ。それが幸せかはわからないけれど。

    今回の演劇展でも、3作品とも壁を押しながら発声するシーンがあるが、この作品に一番グッときた。小さい頃、ロボットを作って「空き地を取り戻す」「みんなを助ける」と言っていた自分を振り返るシーン。泣きました。泣いても「3・11」は無かったことにはならないんだけれど。

    公演を重ねる度に、どんどん役者への負荷が増している気がして、それも凄いなと思います。負荷が掛かって極限まで追い込まれている役者の声や身体は本当に美しいなと思います。そしてその負荷のバリエーションの豊かさも幅広いなと思います。小さいころの遊びがモチーフになってるのかな、というものも多いですね。また、お馴染みの曲が来ると、あの動きが来たなとわかるのも嬉しいです。

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    2013/06/08 00:54

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