完全即興 公演情報 インプロ・ワークス「完全即興」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    日本人演者は独りよがり
     目指しているのは、アモルフな時空表現ということらしいが、アモルフなものが、てんでバラバラに提示された所で、その周りをかっちりした枠なり基準なりが囲んでいなければ、アモルフな状態は、その状態であることを積極的にアピールできないだろう。
     演者たちはそれなりに一所懸命なのだが、演出力に劣る。少なくとも、一種のショーとして、舞台に掛け、金を取って観せている以上、訳の分からない物を訳の分からない物として提示する為に、プロは工夫を凝らすべきである。能力の低い者ばかりが観ているわけではない。自分達のテンションの高さをこのような対比に立って見せるのであれば、自ずから、解釈とその無効性との鬩ぎ合いを、観客の眼前に展開させることが可能となるであろう。清水も場の雰囲気を捉えるセンスは中々でも、それをいきなり沸点に持ってゆくような発想も、力も感じなかった。ギャグにもセンスを感じない。
     ベルギーから来ている、ヤン・ブランデンのパフォーマンスの中で、タクシーの運転手を演じているシーンがあるのだが、イーペルマルシェへ向かう途中で、彼の右目尻の上部の血管が浮いて突然非日常が舞台上に出来するということがあった。インプロの面白さは、こういう点にこそある。ダラダラ続く日常の中に、何か常ならぬ不気味な物が、突然、その影を映す、その瞬間を、実に素早く捉え、効果的な陰影を作り出した照明も見事であった。

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    2013/06/05 00:19

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