【次回公演は3月!ご来場ありがとうございました!】「かたわこや」 公演情報 劇団東京ミルクホール「【次回公演は3月!ご来場ありがとうございました!】「かたわこや」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    マジで鼻から
    「ミルクホールの原点は江戸期の見世物小屋」にあるという視点で書かれた本作は
    「差別される人々」の世界を描くと同時に
    「無意識のうちに差別している人々」の心理をも突いている。
    しかしまさか全員がチラシのように“鼻から垂らす”とは思わなかった!

    ネタバレBOX

    代議士の父を持つ帝大生が、理想の社会福祉を論じながら
    実は底辺にいる見世物小屋の人々に対して
    「無意識のうちに差別している自分」に気付く。
    そして見世物小屋の娘への叶わぬ恋、親友の死などを乗り越えて成長していく。

    というと何だか“青年の主張”みたいだが、のっけからミルクホール色満載。
    「どうぞ舞台へ上がって見世物小屋の中をご覧ください!」と言われて
    何と5~6人を除いてほとんどの客が舞台へ上がった。
    客席に背を向けて妙な芸(?)を披露する人を見て笑ったあと
    客席後方に登場した帝大生二人のやりとりを、みんなで舞台から眺める。
    私もミルクホールの舞台には何度か上がったが、この図が面白いんだな。

    二人の帝大生から恋される見世物小屋の娘マキ(コースケ☆ハラスメント)が
    声も仕草もあんまり自然で可愛い(!)ので一瞬「まさか女の子が客演?!」と
    当日パンフ(これがまたいたずらに男を下げる顔の写真集だ)を確認してしまった。

    恋に破れる帝大生を演じた浜本ゆたかさんが相変わらず良い。
    この人はベタな台詞を言っても説得力があるのが魅力。
    自分の中にある差別する気持ちに気付いた時や
    マキと親友の恋の行方を見守るところなど
    台詞や間が丁寧で、しみじみさせる。
    ミルクホールは笑いと人情の両極を行き来するのが魅力だが
    その人情パートを背負う人だと思う。

    そしてやっぱりおバカな展開が素敵だ。
    扇風機の芸(芸なのか?)とか、“さんがつ”(なんちゅー芸だ!)とか
    見ている私たちもハラハラドキドキ、
    だって全員があの“チラシと同じ顔”になるんだから素晴らしい!

    冒頭のダンスはちょっとけいこ不足の印象を受けたが
    ラスト「津軽じょんから」はとても素晴らしかった。
    コースケさん、浜本さんのキレの良さとかたちの美しさが印象的。
    やくざの鬼小島を演じた多舞タカシさん、声もいいし
    艶のあるやくざがとても良かった。
    佐野うさぎさん、”無駄に二枚目”な顔で、当パンの写真がとってもセクシー。

    バビ市のおしっこハプニングもあったが、
    その不具合をも笑いに変える瞬発力は相変わらず。
    改めて生の舞台ならではの楽しさを満喫した。

    0

    2013/05/18 02:56

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大