満足度★★★
面白かったけど、もう少し演出を丁寧にした方が良い
学生劇団と言うのは、演出についてまとまって教わる機会が無い分、
地力(観察眼とでも言うのか)が如実にそれぞれの差となって出てしまう。
やりたいことが一杯あるうちはそれでもいいけれど、
ひとつひとつの役者の演技をきっちりとまとめ上げて行かないと、
そのうち詰まってしまう。
他の評者の方が書いていたが、
出てくる新聞紙が白紙というの、それが自分もとても気になってしまった。
自分も小学生の時に新聞を自作で作らされたりもしたからわかるが(苦笑
それっぽい新聞を作るというのは相当な手間だ。
しかもほとんど観客の目に触れることはない。
労力に比べて効果は非常に少ないと思う。
でも、そういうちょっとした見えないところまで血のにじむような作り込みを行うかどうかで、将来の姿が見えてしまうものだと思う。
舞台において本当に重要なものというのは台本には書いていないところにある。
それこそ作品の隅から隅までぎっしりとアイデアを詰め、
地獄にいるような思いをしながら舞台上に遊び心を敷き詰めていれば、
たとえ将来劇作家などにならなかったとしても、
普通の仕事をしてもきっちりとこなせる人間になるに違いないと想像できる。
舞台を作るのは楽しいかもしれないけれど、
人を楽しませるというのは本当に難しい。
物語の中には、
楽しめる要素がいくつもあったが、
それは本筋というよりかは、
役者ひとりひとりの個人技がうまく入り込んだ結果と言えるような気もした。
もう少し物語に緩急をつけ、
あっと驚くようなどんでん返しを何度も行い、
役者の動作をもっと笑いを増幅するよう工夫すれば(ろりえの舞台なんかは学生劇団には参考になるかもしれない。同じ若手なので。ただし一回観ただけではよく分からないかもしれない
もっともっと笑い声を大きく、笑う回数を増やすことも可能ではないと思えた。
ひとつひとつの細かい演出は、一見無駄に見えるかもしれないが、
例えば架空の新聞紙を1枚作れば
作っているうちに色んなアイデアがわいてきて、
それを次の公演に生かすこともできると思う。
アイデアはそうして増やしていくものだと思う。
物語は悪くないと思う。
若いのにちょっと古臭くも見える物語・演出を描くのは逆に新鮮だ。
アニメやライトノベルっぽい軽めの物語・演技が全盛のように見える今の流れと逆行している気もする。
ひょっとしたら数年後にはこちらが主流になってるかも。
若い人たちがやるとちょっと古臭い物語も逆に新しく見えてしまうフシギ(笑
若い人は流行を追い求めすぎると逆にぺらくなってしまう。
新品に古着をミックスするお洒落を真似るような気持ちで、
少し古臭い要素にもバランスよく手を出すのも悪くない。
若い人が全員ケラ氏みたいな作品ばっか作ってたら気持ち悪いし・・(苦笑
ちょっと昔の時事ネタっぽいのが入っていたが、それはあまり必要なかったかも・・。
東京の若手劇団は勢いはあるが、
地方の劇団のようなアイデアを寝かしてもっと演出を密にすることも学ばなければならないとな、とも思ったりした。
2013/05/18 17:03
この度はご来場、誠にありがとうございました!
そしてご感想、本当にありがとうございます。
これからの創作活動の参考になるお言葉を頂き、恐縮ながらもとても励みになりました。
我々の作りたいもの・描くものをベースに、これを作品としてお客様にご覧頂くということ。
このことにまず、もっと高い意識を持つべきだと思いました。
さすれば創作の過程も、1つ1つがまた変わってくる気がしました。
お客様に楽しんで頂けるよう、これからもっと尽力してまいります。
まだまだな私たちですが、どうかこれからもお見守り頂き、ご指導ご鞭撻頂けますと幸いでございます。
これからもどうか何卒、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました!!
制作