タイトルは『ここからは山が見える』、”You can see this hill” ですが、作品中で山について語られるのは、二度のみで、 物語の中盤で、彼自身が初めて直接的な暴力をふるったとき、 この町は山に囲まれ、いつも霧に覆われ、山が見えない、 というのと、 物語の終盤、学校で唯一のアジア系の女の子で、パキスタン人である子と映画を見に行った時、 その映画はイラン映画で、イラン人がトルコ、中欧、スイスに渡り、 というものなのですが、 この映画を観つつ、アダムは涙を流し、 そこにいながらにして、自分の町を囲う山を見た気がした、 と語ります。