満足度★★★
極小空間で宇宙SF
狭い空間を椅子と少しの小道具だけで宇宙空間に感じさせる、巧みというか強引な設定で描く物語で、笑いの中に道徳的なメッセージが込められていて、ただ楽しいだけではない作品となっていました。
ユーモラスな開演前のアナウンスから自然に主人公が観客に語りかけるモノローグに移行し、そのまま一気に舞台が宇宙へと飛ぶ導入部に続いて、ドタバタなコント的シーンの中で戦争や命について考えさせられ、後半は演劇ならではの見立てを用いたファンタスティックなシーンに展開し、意外と胸を打つ内容でした。
大声での馬鹿馬鹿しいやりとりや唐突に始まるダンスは好みではありせんでしたが、客席の存在を物語に上手く取り込んだ、狭い会場に合った内容になっていて良かったです。
小松原貴士さんのボトルネック奏法を用いたブルージーなギターの生演奏が効果的でした。
主役を演じた森一弥さんは普段は芸人をしているとのことですが、声の使い方や間の取り方が良くて魅力的でした。
男性陣に対して女性陣の演技が薄っぺらく感じられたのが残念でした。