満足度★★★★
尺を感じさせない江戸舞台裏絵巻
三代目に指名されるが力の無さから座員に見放された阿国、彼女に一目惚れした下っ端盗人、男子に恵まれない親から女ながらに家を継がされたが歳の離れた弟が生まれたため勘当された能の元・宗家、当代人気の女形などが織り成す江戸舞台裏絵巻。粗削りではあるが130分の尺を感じさせない。
主要人物の芸や舞台への意気込みとそれぞれの成長を中心に権力による舞台表現に対する弾圧も加えて描き、作者・演者の芝居への想いを語るのはバックステージものの醍醐味、好きなんだなぁ、こういうの。
そんな内容を帯らしきものを含む布を多数使いギミックも仕込んだ装置の中で、女性6人男性1人の出演者の大半が複数の役を演じ分けつつ見せてくれるのだから評価が甘くなりもしますわ。(爆)
ただ、例えば盗人の下っ端ぶりを見せるオープニングエピソードを必要以上(私見)に丁寧に描くなど全体バランスの悪さが無きにしも非ず。
まだ第2回公演なので今後そんなところを改善してゆけばかなりの脅威にもなり得るワケで、楽しみ♪