満足度★★
劇場サイズに合っていない公演
とある会社のOL達の姿を漫画的なハチャメチャ感と潔いエロティシズムで猥雑に描いた作品でした。
総務部と経理部のヤクザ抗争の様な戦いと、清掃活動を行う地域の婦人会の会長選挙の2つのエピソードが次第に絡まり合う展開でしたが、宣伝文句にある社会派な要素もバイオレンス性もあまり感じられませんでした。
いかにも小劇場的な内容の作品で、劇場が大き過ぎる為になかなか観客を巻き込むことが出来ず、中盤頃までは舞台と客席の間にかなりの温度差が感じられました。細かい小道具を用いることが多くて何をしているのか分かり辛かったのも残念でした。
足を滑らせて転んだり、クライマックスで降る雨を受けるための大きなトレー状の大道具が引っ掛かって動かず出演者・裏方スタッフ総出で動かしたりといったハプニングの方が、作り込まれた笑いより面白かったです。
舞台全面を遮るカーテンと移動式の各シーン毎のセットを用いて素早く転換しているのに流れに停滞感がありました。
マイクがハウリング気味な時があったり、BGMやSEのタイミングが合っていなかったりと、音響があまり上手く行ってなかったのが残念でした。
演技が固いキャストが多かった中、毛皮族の柿丸美智恵さんや江本純子さんは自由自在な演技で魅力的でした。