ハルメリ2013 公演情報 世の中と演劇するオフィスプロジェクトM「ハルメリ2013」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今、流行の思想
    Twitterのアイディアを加筆して再構成された物語は、本当に現実で起こっても不思議じゃないなと思うほど自然に受け入れられました。まさに今の物語だなと思いました。

    ネタバレBOX

    『私達は皆弱者だ、競争を止めてお互いを尊重し合おう。相手に優しくしたら、自分も優しくされる。自分が優しくしたら、相手も優しくする。』厳密な概念のない思想、「ハルメリ」。大事なことはこの思想は冗談です、ってことだ。でも、クラブのイベントだったはずのこの思想はあっという間に、ゆる~くゆる~く、確実に拡散していく。このゆる~く、も大事な部分だ。顔も素性も分からない人とも、簡単につながれるし、離れられる。そこには責任はない。次第に大衆心理となって誰にも止められなくなる様子は、情報社会の面白さと恐ろしさの両面を如実に表しているなと思います。誰しもがもっと生きやすい世の中になったらいいと思って、気持ちの良い方に向かっていくだけなのに、どうしてこんな風に歪んでいくのだろうか。やはり大事な事は膨大な情報を、自分自身の指針で選別する事だなと思いました。そしてリアルな人とのつながりを大事にすること。アラブの春や日本の脱原発の国会包囲みたいな大きな動きも情報化社会だからこそ起こせた訳だし、便利なことは良いことだ。

    物語の終盤、TVショーが繰り広げられるシーンで、役者の後ろにTwitterのタイムラインが流れるのが、面白い構成だなと思いました。また、劇場の天井にほど近いキャットウオークのようなとても高い場所から役者が台詞を喋る高低差のある演出も良かったです。こうした演出は、比較的大きなキャパの座高円寺だからこそ出来る試みだと思いました。

    舞台を挟んで両側が客席になっていて、A~Fのどのエリアからでも観劇できる、となってはいますが実際座る場所で見やすさは異なるなと思いました。舞台上の客席は役者の方とかなり近いので臨場感があるのではと思いました。僕は舞台に正対する席(Cエリア)だったので物語を楽しむには見やすい席でした。

    あと、好みの問題だと思いますが。以前に同じ作品を別の演出(ウォーリー木下さん)で見た時の、あの超絶カッコいいキレキレのパフォーマンスと比較すると、全体的にテンポが悪くて間延びしてるなと思いました。

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    2013/03/28 15:33

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