『熱狂』『あの記憶の記録』ご来場ありがとうございました!次回は9月! 公演情報 劇団チョコレートケーキ「『熱狂』『あの記憶の記録』ご来場ありがとうございました!次回は9月!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    『熱狂』: 脚本・演出・演技 三位一体の妙
    演劇は集団創造だと言うが、その実、誰か1人の才能で引っ張る場合も多い。
    だが、この芝居は、その三つが相互補完し合っている印象を受けた。
    こんなに脚本・演出・演技が有機的に繋がって強度を出す舞台を見ることは稀だ。

    そして、今日の社会状況でこの芝居が上演されることを考えると、
    どうしてもヒトラーに数名の政治家の顔がダブる。

    ネタバレBOX

    上で述べたことを具体的に書く。

    まず、脚本と演出どちらが先なのか、共同で構想したものなのかわからないが、
    舞台上は、ヒトラーの部屋や会議室のようにも見たてられるが、
    まさにナチスの党大会などの舞台上と見たてられたりもする。
    そこで、ヒトラーや幹部の例の演説か展開される。
    その場合、観客は、ナチ党員かナチの支持者・またはドイツ民衆の視線でヒトラーや幹部の演説を見ることになる。その構造がとても面白かった。

    そこでの演技も、
    役者さん皆がそれぞれにキャラが立っていて、素晴しかった。
    特に、ヒトラー役の西尾友樹さんのアンビバレントな演技がよかった。
    一方で、繊細で、気が弱い部分もある姿も伺わせつつ、
    大衆の前では屈強なヒトラー像を誇示する。
    その極端な演じ別けと、
    さらに幹部の前での微妙な人間関係や立場が影響した揺れなど、
    演技の振幅が見事だった。

    これらの脚本・演出・演技が、塊となって観客である私に迫ってきた。

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    2013/03/24 23:24

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