【当日券あります!】第32進海丸 公演情報 カズカン「【当日券あります!】第32進海丸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    土佐の鰹漁師
     海に生きる者たちの掟、その感覚が良く伝わってきた。評価は4にしたが、海での生活を知る者だけが読者であれば、5をつけてよい内容だ。ただ、一次産業に携わる人間が殆どいなくなった現在のこの国で、深読みできる者が減っているであろうと考えての評価4。

    ネタバレBOX

     カツオ釣り漁船での、こませの撒き方や要領、カツオが海面を目指して興奮状態で浮上してくる様子と疑似針での釣り方、男ばかりが、半年から10カ月もの間、狭く、落ちれば命の保証は無い、ストレスの多い空間に閉じ込められてする、キツイ仕事と人間関係を纏めてゆく漁労長の知恵と冷静、優れた人心掌握術も隋所に描かれ、説得力を持つと共に、現在の水産界の置かれた、魚資源そのものの枯渇問題まで織り込み、それゆえの男達の複雑な利害も射程に収めて、其々のキャラクターの立つ演技で表現して観せた。
     役者陣の演技、演出、漁師達の大勢集まる飲み屋が2階にある、こじゃれて居るが故に人気の無いスナックに設定したことも、現在とこれからの漁業を見据えた新漁労長と伝説になった前漁労長の対比を暗示して絶妙。人間関係の絡み方も見事である。気配りが利き大団円では、新旧の行き違いもアウフヘーベンしてみせた自然な筋書きも良い。

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    2013/03/18 11:56

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