ひとりごとターミナル 公演情報 劇団フルタ丸「ひとりごとターミナル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ひとりごとは本音のコミュニケーション
    コミュニケーション下手な6人の人生が絶妙に交差するターミナルを舞台に
    人生をギュッと絞ったような台詞を言わせる。
    こういう濃くて短いやつ、大好きだ。

    ネタバレBOX

    深夜のバスターミナルに居合わせた見ず知らずの5人。
    それぞれ事情を抱えて、これからバスに乗り込もうとしている。
    が、実は彼らの人生は微妙に交差していたのだった。

    恋人を年上OLに盗られた女。
    年下の男の子どもをひとりで産もうとしている妊婦。
    事故を起こして以来バスに乗れなくなったバスの運転手。
    バスの事故で姉を喪ってから医師を目指して医大へ進み、年上OLに転んだ男。
    医大を5浪の末、合格したにもかかわらず医師ではなくマッサージ師になった男。
    大学卒業後、履歴を詐称しながらバイトを転々として来た男。

    このうち医大生を除く5人がバスターミナルで出合う。
    舞台では、彼らの“事情”が再現されるが、
    みんな相手が立ち去ってひとりになってから真実を語り始める。
    つまり相手に直接伝えない、ひとりごとは唯一の本音なのだ。
    その本音に対してこれまた本音のひとりごとで返す、
    これは究極のコミュニケーションと言えるだろう。

    相手と目を合わせず、明後日の方向を向いてしゃべるのは
    劇中語られるように「責任が半分になる」ような“逃げ”のスタンスでありながら
    明らかに“余計なお世話”的に他人と関わりを持とうとしている。
    この”逃げながら積極的に関わる“姿勢が、とてもリアルに感じられる。

    本編終了後に、“エピソード0”的な「おまけの公演」として、
    一人芝居で事の発端を語るというのがあった。
    これが、よくある“蛇足”ではなくて、本当に良かった。
    一人ひとりの役者さんの力量がモロに出る緊張感あふれるひとり芝居だった。
    5浪男を演じた清水洋介さん、毎年合格発表を見に行く男の変化がとても面白かった。
    篠原友紀さん、年下男を合コンでゲットする様が活き活きして超リアル。
    宮内勇輝さん、事故を起こした運転手の振れ幅の大きい演技が面白かった、熱演。

    時代を切り取ったような設定の妙と、台詞の面白さが際立つ舞台だった。
    照明による時間の切り替えもスピーディーで良かったと思う。
    フルタジュンさん、これからもこのタイプ観せてください!

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    2013/03/17 01:52

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