満足度★★★★
5人で演じるシンプルな「マクベス」。日本の四季や和装を自然に取り込む姿勢に共感しきり。
5人で演じるシンプルな「マクベス」。
海外公演もにらんで日本の四季や和装を、
単なる外見ではなく、
その精神的なものをあくまでも自然に取り込む、
野村萬斎さんの姿勢に共感しきり。
桜の花びらが舞い、真っ赤な紅葉の葉が舞い散る風景は
受け狙いのジャパンテイストとは、大きく一線を画す美しさがある。
善人マクベスが、魔女の予言と夫人の言葉に心を乱され、
悪に手を染め、破滅への道を辿りはじめるが、
最後は自分を取り戻し、自らの運命に強く立ち向かうその姿は、
力強く、りりしい。
共演者マクベス夫人には実力派の秋山菜津子さん。
以前から、注目作品に次々に出演されていて、目が離せない。
魔女を始め、主演の二人以外の登場人物すべてを、
天井桟敷等に出られていた三人で演じているのも象徴的で、
マクベスと夫人により焦点が当てられていて非常に効果的。
上演時間が長すぎないのもいい。