満足度★★★★
5人で演じるシンプルな「マクベス」。日本の四季や和装を自然に取り込む姿勢に共感しきり。
5人で演じるシンプルな「マクベス」。
海外公演もにらんで日本の四季や和装を、
単なる外見ではなく、
その精神的なものをあくまでも自然に取り込む、
野村萬斎さんの姿勢に共感しきり。
桜の花びらが舞い、真っ赤な紅葉の葉が舞い散る風景は
受け狙いのジャパンテイストとは、大きく一線を画す美しさがある。
善人マクベスが、魔女の予言と夫人の言葉に心を乱され、
悪に手を染め、破滅への道を辿りはじめるが、
最後は自分を取り戻し、自らの運命に強く立ち向かうその姿は、
力強く、りりしい。
共演者マクベス夫人には実力派の秋山菜津子さん。
以前から、注目作品に次々に出演されていて、目が離せない。
魔女を始め、主演の二人以外の登場人物すべてを、
天井桟敷等に出られていた三人で演じているのも象徴的で、
マクベスと夫人により焦点が当てられていて非常に効果的。
上演時間が長すぎないのもいい。
満足度★★★★
初演も見ました
『藪原検校』も観たが本作でも、野村萬斎さん秋山菜津子さんとの競演。
舞台のつくりは、和風にアレンジしていた。証明や効果音とあいまって、狂気に陥るマクベスとその夫人、魔女との絡み方は芝居にひきつけられる。
萬斎さんは昨年、『のぼうの城』では、ぼんやりとしているが領民に慕われる役をコミカルに演じていたが、シリアスな役柄も見ごたえがある。
やはりすごい人である。