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演劇集団 Ring-Bong「
あとにさきだつうたかたの
」の観てきた!クチコミとコメント
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monzansi(714)
尽くした、その結末。
詳しくはネタバレへ!
ほとんどバレてないのに、ネタバレに書いてます。
ネタバレBOX
いつも、当たり前のように そこにいる人がいる。
住宅街の道端に、身なりを整えた若い青年が 10分以上、同じ場所にたたずんでいれば、角にあるタバコ屋の看板娘に夢中なのだろう。
津波の慰霊碑の前に、毎日、神妙な面持ちで手を合わせる御婆さんがいれば、身近な人を失ったのだろう。
私達は、 いつもいる人のバックグラウンドを容易に考えることができる。
ある博物館で、365日、年始年末と休館日を除き、開館から閉館の時刻まで そこにいる人がるとすれば‥。どんな、バックグラウンドを思い付くだろうか。
戦後の日本経済は、焼け野原以上だった。人々は仕方なく、手作りのバラックへ住み着き、目の前に不安を抱えながら暮らしていた。
舞台は、博物館の常連であるお爺さんの現在、戦後を生き抜く幼少期の回想が入り交じる。
特攻隊を志願し、御国へ貢献しないまま敗戦を迎えた、歳の離れている兄がいた。当時の若者は、無力感に襲われる者と、ポリティカルに目覚める若者とに分かれた。後者にとって玉音放送とは、厳粛な目覚まし時計だった。
「御国のための放送は、今度はGHQの宣伝だ。何も変わっていない」
要約した彼の主張・思いが、後の安保闘争へと続いた。時代性だけがもたらす、身体に染み付いた言葉達を彼から貰った。
ご都合主義の政財官界、メディアに流される国民が、戦後という底を掘ってしまった。そして、その議論は、311の原発事故においても同様にされている。
物語は、戦後と現在、1980年代後半の原子力研究者としての葛藤という、三部構成でもあった。原子力ムラのなかでしか、原子力工学を研究することは金にならない。果たして、今そこにいる“常連のお爺さん”は、311原発事故に至る過ちを犯したのか、技術的に警告する立場を取ったのか。
分からない。もう、誰も彼のことなど知らない過去の人なのだ。約25年の空白こそ、この物語のキーだと思う。
いつも そこにいる人。一人ひとりに歴史があり、実はどれも壮大な舞台なのかもしれない。
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2013/03/09 00:41
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