今、出来る、精一杯。 公演情報 月刊「根本宗子」「今、出来る、精一杯。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    満点!
    案外ドロドロしていて、グロテスクな一面をも、役者と演出でさばさばと明るく見せて、楽しくさえありました。すごく面白かったです。

    ネタバレBOX


    主張したい部分については、部分部分、私の考え方と違いましたが、それを補って余りある、脚本の台詞のやり取りと、役者の演技の練り込みがすごく魅力的でした。

    細かく「第○章」と区切られ一息つける心地好いテンポで、2時間10分を飽きることなくあっという間にすら感じさせます。女性達の会話と、恋人達の会話が、しゃべる相手によって態度も内容も違っていて、覗き見しているような、凄くリアルに感じました。

    一人一人の人物背景が絡まりあってて、とても書ききれないので割愛しますが、皆、生きている以上、辛くて、自分を誰かに受け入れてほしくて、自分に正直でした。個性の強い変なキャラクターが多いのですが、それをリアルに感じさせる、演技の力が素晴らしいです。

    「ごめんなさいごめんなさい」「なんで分かってくれないの」「一緒に居てよ~」苦しみやもがきが、胸をえぐります。でも台詞でクスリと笑わせられるから辛くはありません。くすみさんが正しいのに、彼女が一人アウェイな感じなのが悔しい気もしました。大人ってそんなに汚れていくのか。

    人と関わるってのは、面倒くさい部分も引き受けるということ、というところに共感しました。安藤くんのように、ただ我が儘に駄々を捏ねるだけの人は、個人的にはあまり甘えっぱなしで生きていてほしくないなぁとは思いますが、そのカップルの在り方には納得がいきました。

    よく思い返せば、キャラクター全員が、自分の我(辛さ)を通していたかもしれません。それを包み込もうという、認めあおう、生きていこうという、究極の優しさが、作品にありました。

    蛇足ですが、個人的に、大感動にひたっていたのに、最後の最後にミュージカル「Hair」の「Let the sunshine」「アクエリアス」が大音量で流れたのには、ビックリしてずっこけそうになりました。かなり印象強い曲なので、暫くHairの印象が思い起こされて、言ってる台詞や情緒が乗っ取られました。そこは申し訳ない気分です。

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    2013/03/07 21:33

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