消失・ from メガロポリ子 公演情報 mimimal「消失・ from メガロポリ子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    無聊をかこつ
     この作品の創作コンセプトはオープンソースリアリティーということのようだ。会場で貰った説明では、“舞台芸術の身体性を舞台上のノイズという形で展示する”ということだ。確かに、我々がイメージする現代日本の若者たちの会話から、きっかけを通して物語の世界へ入ってゆくのだが、ここで言われている舞台芸術とは、生きながらの死のことなのか? と問い質したくなる内容であった。ノイズというほどイライラしない。

    ネタバレBOX

     劇中、至る所で、世界に対する不信感のようなものが、発散する。そのような半睡状態に近い感覚の中で、男と女、都市や地名を媒介にネットレベルのニュース、地図情報などを繋ぎ合わせてパッチワークを作ろうとしているのだが、いかんせん、情報の裏読みもなければ、鋭い情報リテラシーも感じない。平板でありきたり、おまけに情報に操られっぱなしがミエミエの、イマジネーションの欠如が心配だ。
     ジョギングをするシーンで映し出された紛争地の映像の何を理解したつもりでいるのか? 所謂「テロとの戦争」を大義として攻撃を繰り返して来た、米、英、露、イスラエルなど大国の犠牲者に、無辜の子供、女性が如何に多く、一般市民が圧倒的に多く虐殺されている事実をどう捉えているのだろうか? 人の生き死にを単なる情報として扱い、そこに人々の日常生活があることも、親子、兄弟、親族、眷属、地域社会の助け合い、恋人たちの愛があることも一切捨象して、偶々豊かな時代に、この国で育って、操作された情報を簡単に入手しただけでの知ったかぶりは、グロテスクでさえある。
     以上のような生き方しかしていないから、若いとはいえ既に大人になっているのに、世界を見る視座が浅いのだ。疑似恋愛やセックス場面も表現されるわけだが、描くべきは、自身の人生さえ無聊をかこつだけのものに貶められたことに対しての狼煙であろう。

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    2013/03/05 02:23

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