範宙遊泳展 公演情報 範宙遊泳「範宙遊泳展」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    次元を超えるしたたかなメソッド
    小さなスペースをさらに細かく区切って、
    そのなかで虚に訪れるリアルな感覚に
    どっぷりと浸って・・・。

    常ならぬ世界の実存感に
    なんだろ、うまくいえないのですが、
    こう・・・、遠近感が変わって・・・。

    面白かったです。

    ネタバレBOX

    小スペースといわれている会場が、
    さらに小さく区切られて・・・・。

    入ると場内にはインスタレーションっぽいものがあって、
    自由に椅子を出すなり、立ち見でもよいので
    ご覧くださいという案内という案内にしたがって
    適当な場所に座って
    その場所を眺めてたり、
    あとで強かに世界に取り込まれる事前のアンケートを書いたり・・・。

    開演が近づくと、プロットというかその場で行われることが
    A4、1枚にまとめられた資料が配られて・・・。
    そして、あらかじめ文字で綴られた流れの如くに
    役者が時間を紡いでいきます。

    プロットに描かれたものが
    舞台あることを追認する感覚と
    プロットに描かれたことから踏み出した
    表現の広がりを追いかける感覚が交錯する。

    朝ごはんを食べるとか、
    運動をするとか、
    仕事をするとか
    電話をするとか・・・。
    あらかじめ文字で受け取ったものと、
    舞台上から受け取るものの
    重複と乖離に次第に取り込まれていく。

    前もって資料を読むことなく、
    ただ舞台だけを見ても、その世界観に惹かれるとはおもうのですが、
    その流れが裏打ちされることで、
    舞台に流れる時間の感覚や
    日々のルーティンをこなすこと、
    さらにその時代を纏って生きることの肌触りが
    くっきりとエッジをもって切り出されてくる。
    未来を観ている感覚が、インプットされたプロットに組み入れられ
    ふっと観る側の今を生きる感覚とマージして。

    気が付けば
    前もってざっくりと読んだものから
    立ち上がる空気がしっかりと置かれている・。

    その後休憩があって、
    観客は奥の小さな劇場スペースに導かれて。
    今度は二人芝居を・・・。
    こちらでは、映像が使われて、
    舞台上に語られる物語の枠組みや要所が
    すっと映像の文字や画像情報とマージしていく。

    これは、最初の一人芝居のベクトルと真逆に
    演じられる世界を観る側に落とし込まれ、
    ロールたちの心情の先が、
    映像が作る世界の質感に取り込まれ、
    その中に際立つ・・・。
    演じられる日常が、
    その平面との重なりのなかに座標を持ち、
    新たなナチュラルさでロールの想いが伝わってくる・・。

    描かれることは、ありふれた日常の感触、
    でも、舞台に異なる次元での印象が差し込まれると
    そこに通常の舞台では感じ得ない
    心風景や想いのテイストが訪れてくる。

    手作り感もいっぱいで、
    作り手が完成されたものを供するというよりは
    その進化を楽しんでいるような部分も感じられて。
    新しい感覚が切り開かれていくグルーブ感もあり、
    時間を忘れて見入ってしまいました。

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    2013/03/03 10:38

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