韓紅の音(カラクレナイノオト)&韓国民族伝統芸術パフォーマンス 公演情報 Unit航路-ハンロ-「韓紅の音(カラクレナイノオト)&韓国民族伝統芸術パフォーマンス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    金 哲義氏のシナリオ
     金 哲義氏のシナリオは、何処を切っても血が噴き出す、生きたシナリオである。役者の演技もこのシナリオに応えて質が高い。更に演出家としても優れた手腕の持ち主である哲義氏が、今迄表面に出て来なかった役者の新たな才能を掘り出す点にも注目したい。
     作劇の中で、象徴を上手に使う点でも既に実績を築いてきた彼ではあるが、今回は、その象徴を重ね、新たに重層的な意味を付与してもいる。

     釜山民芸総による民族伝統芸術
    サムルノリ、パンソリ、韓国民謡、仮面を用いたパフォーマンス、伝統舞踊など、韓国の無形重要文化財に指定された最高峰の芸人達が繰り広げる芸の質の高さ、エネルギッシュな演奏、身体鍛錬の凄まじさ、民衆の底力を感じさせる、諸芸。時を忘れて楽しめた。

    ネタバレBOX

     幕開き当初、ハルモ二が故郷を離れ、海を渡ってくるシーンがあるが、ここで用いられた水音と舷側の波を示す薄布は、終盤、朝鮮的であること・ものの総てを嫌って片道2時間もの遠回りをして住んでいる地域を隠したオモニの、日本と朝鮮、北と韓国、ハルモニとオモニの融和を示唆して意味深長である。無論、在日一世のハルモニ、二世のオモニ、三世の視点と在り様もこの象徴に関与している。但し、終盤で使われた薄布は、水音の無い分、在日として生きてゆく彼らのこれからを暗示してもいるだろう。

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    2013/02/26 20:07

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