デキルカギリ 公演情報 G2プロデュース「デキルカギリ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    シビアなテーマ?
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    G2プロデュース【デキルカギリ】を観劇。

    G2の作品は過去に何本か観たのだが、適度な商業性があって、可もなく不可もなくという作品が多いようだ。程ほどに面白いのだが、あまり刺激は与えてくれない。今作は解散公演という事だが、期待をしないのは勿論である。

    詳しい内容に関しては割愛するが、原発問題を一家族の視点から描いた作品。
    常に国家の味方と表向きでは唱えていた父親(学者)が、実は裏で原発廃止を長い期間に渡り取り組んでいた。その事を知らない子供達は、父親の国家の飼い犬、日和見主義的な生き方を憎み、家族が断絶してしまうほどだ。だがその父親が認知症にかかってしまい、原発廃止で行っていた秘密の内容が遺言書によって明かされるのである。そしてその内容を知った子供達は、そのとんでもない遺言書の中身の対応に迫られるのである。

    平和なホームドラマ調で、笑いと上手い役者使い描いているのだが、テーマに関してはかなりシビアである。原発廃止は一個人のテロしかないという結論に達しているという事だ。国家の側で働いている人間が、その様な行動を起こしてしまうという事は、もう対策を打つ手がないのではないか?とも言える。3.11の直後、トラッシュマスターズが【背水の孤島】で描いた原発廃止問題も同じように個人のテロでしか解決作がないと訴えていたが、今作も全く同じだ。いち国民として正しい行動を起こす為に国家に近づいたけど、実は遠のいてしまっている?という事に気がつかされてしまうという事だろう。以前にも書いたが、映画【チャイナシンドローム】で原発職員がとった行動と全く同じだ。
    今作はシビアなテーマを身近な視点で描くという事に関しては上手く出来ていて、観客が身にしみてテーマを身近に感じるだろう。だだ毎度の事ながら、クリエイティブ的な作品ではなく、観客の想像力を掻き立てられないので、観終わった瞬間に忘れてしまいそうなのだが・・・。

    演劇をただ楽しみたい!という方にはお勧め。

    いつどこで観ても吉本菜穂子は良い役者だ。

    0

    2013/02/25 17:43

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大