せいれん 公演情報 EgofiLter「せいれん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    人間の方が怖い
    「日常に異世界を引き込む」というコンセプト、
    「反劇場」というスタンスの実験公演、その趣旨は目的を達成していると思う。
    セットもベランダから中を覗くような視点が珍しく、ドア等の工夫も面白い。
    が、私の座った席が悪かったのか、ちょっと消化不良になった点もあった。
    頻繁な暗転で流れがとぎれたような気もした。

    ネタバレBOX

    覆面作家横手清廉(大畑麻衣子)は手足が不自由で車いすの生活をしている。
    彼女にはアシスタント間中もえ(年代果林)が付いていて、それなしには生活できない。
    それなのに清廉は1月の雪の日にもえを団地のベランダに放置、凍死させてしまう。
    それから、清廉の前に3年前に死んだはずの母が現れるようになる。
    そして清廉は突然、部屋の中にいる時だけ歩けるようになる。

    都市伝説“八尺様”と呼ばれる2メートル40センチの大女が
    黒づくめのいでたちで日傘を差して歩いて来る。
    あれは清廉の母、みなし児のところにやって来る。
    二度会ったら死ぬよ…。

    傾斜のない客席だから前の方へ行けば良かったのだが
    椅子が低いので敬遠し前から3列目辺りに座ったのがいけなかった。
    ベランダに放置されたもえが、そこにいるのかいないのか、最後まで見えなかった。
    前の人の頭の隙間から、座卓の生活をしている清廉の顔がかろうじて見える程度。
    さわが、「公衆電話ボックスに折れ曲がって入っている八尺様を見た」と語るところ
    BGMで台詞がかき消された部分があった。

    現実の嫉妬や妄想が都市伝説と結びついた恐怖はとても良いアイデアだと思う。
    ただ八尺様が人を殺す理由がイマイチはっきり判らなくて
    どこで怖がればいいのか私的にポイントが散漫になった。
    八尺様が人を襲うシーンもあっさりしていて、死んじゃったのか倒れただけなのか解らなかった。
    出版社の上司が殺されたのだけははっきり判ったけど。

    清廉のもえに対する嫉妬と敗北感、それをもっと見せて欲しい気がした。
    私には、ベランダで凍死しているもえに向かってガラス戸越しに話しかける
    清廉のにこやかな顔の方がずっと怖かったな。

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    2013/02/24 17:21

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